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寄付したはずの服が売られてる

先日ドイツのTVで見たドキュメンタリーの話です。


スペインと同じく、ドイツの街角には古着のコンテナーというものがあります。


★こんな感じのコンテナー(写真はネットよりお借りしました)
*赤十字の名が入っているものもあれば、他の団体名が入っているコンテナーもあります。
寄付したはずの服が売られてる_e0205478_21395464.jpg



古着をコンテナーに入れた人は、その服が救援物資として世界各地へ送られ、必要としている人に無料で配布されると想像しているはず。私もそう考えていた一人でした。


番組では「さて集められた古着はその後どうなるのでしょう」と問いかけます。
レポーターがアットランダムに3つの古着コンテナーを選び、コンテナーに書かれた電話番号にかけてみると、3つのうち2つの番号は機能しておらず、「この番号は現在使われておりません」のアナウンス。


実際に収集にきたトラックの運転手に話により、彼らはまったくプライベートの企業であることが判明します。
最終的に工場に運ばれた古着類は使えるもの、そうでないものに分けられ、アフリカや最近需要が増えているロシアや東欧へ送られます。ただし「寄付」という形ではなく、業者による「販売」なんです


番組ではロシアだったかウクライナだったか(失念)でのシーンを撮影していました。
倉庫に運び込まれた古着の山。
そこに押し寄せる現地の業者たち。
気に入った洋服がつまった大きな袋を探しだし、対価を払います。


最終的に業者は、露天やセカンドハンド専門のブティックで服を販売します。
ほとんど袖を通していないような服もあり、特にドイツからの服は人気だとか。
番組ではお洒落なツーピースを、ご婦人が14ユーロで購入していました。
輸送料や中間業者に払うお金を差し引いても、業者には結構な額が手元に残りますね。しかもリソースの服自体は寄付だから無料ですし。


こういった古着ビジネスやアジア産の安価で質の高い品に対抗することができず、
現地での繊維工業はどんどんすたれていく一方だそうです。


もちろんこういうルートを通さず、NGO軽油で古着が寄付されるケースもあるでしょう。しかし現実にはこのような古着ビジネスがどんどん増えているとのこと。


寄付する側としては「捨てた洋服」なので、それを誰がどうしようと関係ないとはいえ「困っている人の手に無料で渡るように」という思いで寄付したのに、結局は現地の露天や古着ショップで売られてるのは腑に落ちない。
最終的には業者がお金を稼ぐための手段となっているわけですからね。


ところでうちの近所にはHUMANAという団体の名をつけた古着コンテナーがあるんですが、洋服が慈善事業により寄付されるのか、それとも個人業者が介入して外国で販売されるのか。これも結構謎です。。。


↑↑↑ (追加情報)
と書いたところで、コメントにてHUMANAは回収した服を一部販売すると公式に通知していると教えていただきました。HUAMANのリンクで確認したところ、次のような説明でした。このように組織のポリシー&コンセプトを明確にしているのであれば、私としては問題ないです!!この文章、是非コンテナーに貼ってほしい。


The collected clothes is sometimes sold directly at the commercial market, and the proceeds is donated to development projects. In Europe, the clothes typically goes to the sorting center, where pieces of clothes suitable for sales locally are picked out, and the rest is sorted for shipment to Africa, for resale to other traders, or to the recycling industry.

The clothes sold in second hand shops or at the international market generates a surplus, which is used for supporting development projects in the Humana People to People movement
.




さて私が見た番組のビデオが見つからなかったので、同じテーマを扱った番組のリンクをはっておきます。
ドイツ語ですが8分少々の短いレポートなので、興味のあるかたはご覧ください。


下記ビデオでははっきりと「ドイツ赤十字」と表示されたコンテナーの件を扱っていますが、やはり集められた服は業者を通じて、現地で販売されるシステムとなっています。


世の中の大半の人は、まさか赤十字に寄付された服が売られているとは思うまい。いろんな業者があるので、これからは要チェックですね。


Geschäft mit Altkleidern (古着ビジネス)



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by penedescat | 2012-10-22 22:06 | 世の中で起きてること

ドイツ生活10年後、スペインのカタルーニャ地方へお引越し。葡萄畑に囲まれた田舎暮らし。


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