カタルーニャの葡萄畑から


ドイツ生活10年後、スペインのカタルーニャ地方へお引越し。葡萄畑に囲まれた田舎暮らし。
by penedescat
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謎の孤児 カスパー・ハウザー

カスパー・ハウザーという名前を聞いたことがありますか?

1828年5月、ドイツ・ニュールンベルクの街に突然現れた正体不明の青年。
彼はわずかその5年後に暗殺され、この世を去ります。

e0205478_2425111.jpg



カスパー・ハウザー(以下カスパー)が発見された時、
まともに歩ける状態ではなく、言葉も話せませんでした。
唯一彼が紙に書けたのは、恐らく彼の名前であろう「Kaspar Hauser」という文字のみ。

調査の結果判明したのは、カスパーが外界と遮断された
窓のない暗い部屋に幽閉され、パンと水だけを与えられて育ったこと。


他人とか時間の観念もなく、全く言葉も理解しませんでしたが、
聴覚や嗅覚だけは常人よりはるかに鋭敏で、
暗闇の中でもまるで明かりの下でのごとく歩くことができたそうです。
また馬のおもちゃに異常に興味を示し、その後は乗馬も難なくこなしたとか。

カスパーはその後徐々に言語を覚え、知識を増やしていくのですが、
平穏な日々は続きませんでした。
一度の暗殺未遂を経て、その後アンスバッハで何者かに胸を刺され,数日後に亡くなってしまいます。
実はこれには狂言説というか、自分で自分を刺したのではないかという説もあるのですが・・


☆ドイツでは1974年に映画化。カスパー役は役者経験のないミュージシャン Bruno S 。
彼の演技は胸にじんときます。061.gif
映画に使われるパッヘルベルのカノンのメロディーが切ない。(英語字幕の予告編)

The Enigma of Kaspar Hauser



さてどうしてカスパーが当時それほどの注目を浴びたのか
それは彼が実は当時の王位継承者の子息であるといった説があったからです。

カスパーの保護者として彼を引き取り面倒をみていたフォイエルバッハ氏の推測では、
カスパーは、その当時フランスとドイツの国境近くにあったバーデン大公国の大公の男系の曾孫。
その曾孫は公式文書上では幼くして死亡とされてますが、
裏に政治的な絡みがあり、あくまでも死亡は偽装だったようですね。

その後フォイエルバッハ氏も亡くなりますが、公式上では病死といえど、
実際は毒物による中毒死、つまり誰かの手によって暗殺されたというわけ
なんだか怖いですね。。。


カスパー・ハウザーの話を簡単にまとめたサイトがあるので、
興味のあるかたはこちらをどうぞ(←クリックしてください)


実はこの話、今でもドイツでは調査が続いています。
シュピーゲル誌がDNA検査依頼をした結果、「カスパーはバーデン大公の子ではない」
と発表があったものの、発表の5年後ミュンスターの法医学インスティトゥートが、
その下着の血痕はカスパー自身の物ではないと疑いました。

帽子、髪、下着など6種類の異なったマテリアルからDNAを数度にわたり調査した結果、
カスパーは生物学的にバーデン大公家の親戚(一員)だと断言したのです。
いやはや、この先どんな事実が判明するのやら。秘密好きの私にはとっても気になります。

人間社会に出て5年、常に見世物になりながら若くしてこの世を去る運命になったカスパー、
この世に出てきて幸せと思える瞬間があったのかなあと、ふと思います。


ドイツ南部のアンスバッハ市には小さいながらもカスパー・ハウザー博物館があります。
まだ行ったことがないので、いつか必ず行かなければ!006.gif

下記のサイトはドイツ語ですが、画面に出てくる人差し指マークをクリックすると、
カスパーが身に着けていた服や時計、彼が描いた絵画や手紙などの展示品の一部が見られます。

     
Kaspar-Hauser-Abteilung im Markgrafen-Museum (←クリックしてください。)

Kaspar-Hauser-Platz
Ansbach
Tel.: 0981/ 977 50 56
E-Mail: museum@ansbach.de

開館時間:
10月から4月 月曜を除く毎日 10.00 - 17.00
5月から9月  毎日 10.00 - 17.00


それではまた!



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by penedescat | 2011-08-07 03:02 | ちょっと気になる人&モノ | Comments(16)
Commented by gabbyna at 2011-08-07 10:47
現代の科学は、昔の謎をも解明することができるのですよね。
この方、カスパー・ハウザーの謎もいずれ解明されるでしょうね。
それにしてもロシアの最後の皇帝の末裔アナスタシアの末路とか、このカスパーさんとか、やはり昔の王族系の末路の謎は、結構興味を引くものがありますね。
博物館のサイト見ました、いや~~~久々にドイツ語、懐かしい。
Commented by ぶち at 2011-08-08 02:50 x
面白い話ですね。きいたことがなかったけど、DNA鑑定で明らかになったっていうのが現代だな〜って気がします。
殺されないで幽閉されていたというのはもしものときの王様のスペアとしてですよね。んー結構むごいですよね。
Commented by penedescat at 2011-08-08 04:32
gabbynaさん:
この映画を見たのはなんと18歳の時だったのですが、(いつの話だって感じですね)それから今までに結構解明が進んでいて、でも解明してほしいような、ほしくないような。。。ちょっと秘密な部分があったほうがこういうのはいいのです!!
昔から王族の世継ぎ問題ってのは大きな問題だったんですよね。
ところでgabbynaさん、ドイツ語も習われてたんですか?
Commented by penedescat at 2011-08-08 04:39
ぶちさん:
DNA鑑定って素晴らしいというか、恐ろしいというか。
髪の毛とか血痕でその人の過去が分かるんですもんね。
昔って貴族とか王族とか、後継者問題が異常にドロドロしてて、
もう誰が誰の子で、誰が誰と不義関係にあってって、理解するだけでもややこしい。それにしても誰が彼をこんな状態のなかで監禁してて、誰がいきなり彼に手紙を持たせて外界へ放り出したんだろう。カスパー君非常に気の毒です。ホント。
Commented by Frau Kuritan at 2011-08-08 06:21 x
え〜、一度も聞いた事なかったですぅ!
にしても興味深い。日本もそうだろうけど、昔々(今でもかしら?)
は、皇族とか王室とかはそういう事が多々ありそうですよね〜。
血統とか、継承とかうんぬんかんぬん。

いまだに事件を追ってるってのもすごいし
何百年も前の物が残ってるのもすごい。

ホント、カスパー君、この世に産まれた意味はあったのk?
気の毒でしょうがないですね。
Commented by melodynelson-2812 at 2011-08-08 18:53
はじめて聞きました カズパー・ハウザーの話し。
今年、映画化された小さい頃に森で一人になって狼を一緒に
過ごしてその後発見されたスペイン人の話しもすごいと思いました
が・・、その男性もご健在ですが、結局普通の生活をするのは
とても困難で、仕事なんかは長く続かなかったでいっていました。
やっぱり社会性ってある一定の時期を逃すとあとは完全には身に
つかないんですかね??

ルイ16世とマリー・アントワネットの間に生まれた皇子にもこういう
伝説ありますよね。数年前に彼の心臓がブルボン家の教会にもど
されて云々という話しを聞きましたが、この頃の王家とか貴族の話し
って残酷でもあり、物語の要素にも溢れていますよね。
Commented by viespa at 2011-08-08 23:04
カスパー・ハウザーのことは知らなかったなー。でもこの時代の王族ってどこの国も非嫡出子とか多そうだし、都合が悪いことはこういう形で隠蔽したり抹殺するんだろうね。同じ命なのにむごいよね。。。この映画ちょっと気になる、全編を探してみよう。
カスパーじゃないけどかなり昔、あるアメリカ人の女の子のルポルタージュみたいなのをみて衝撃を受けた記憶があるな。その子は実親から虐待受けてて、多分10歳近くまでずーっと狭い地下に閉じ込められ光にあたらないのはもちろん、食べ物だって満足に与えられてなかったんだけど、救出された後はほんの数年で社会に適応出来たんだよね。
そういえばこの数年前にもベルギーだっけな?ヨーロッパのどこかで実父が自分の娘達にどんどん子供を生ませて(もちろんその実父の子供をだよ…いやだー)、隔離してた事件あったよね?ふう、、、なんかちょっと話が膨らんじゃったけど、こわい世の中だわ〜 汗。
Commented by viespa at 2011-08-08 23:09
ごめん、今↓のコメを見てて笑っちゃった!猫村父やるな!そのタオルってやっぱり今流行のマイクロファイバーとかなんじゃないのー!爆 
確かに日本ってカラス多いよね。今回も一杯カラスに遭遇したんだけど、カラスって賢いからやつらの前では文句いわないようにしてる。そしてやつらの下を通る時はモチロン小走りよっ!だってウンつけられそうなんだもーん。
Commented by penedescat at 2011-08-09 04:21
Frau Kuritanさん:
ドイツでも「カスパー・ハウザーなんて胡散臭い~」って思ってる人たくさんいると思うけど、私は昔から興味シンシンなんです。これだけ証拠も集まってるんだから、王族の出だとは思いますが、ニュールンベルクに姿を現すまでの16年間くらい、想像を絶する世界に生きていたかと思うと気の毒です。でも社会に出た後のほうが実際は可哀相だったのかなあ。博物館に展示されてる絵とか結構上手で、5年しか社会生活をしていなかったのにびっくりなのですよ!
Commented by penedescat at 2011-08-09 04:28
まりまんどなさん:
カスパーは何歳位の時に幽閉されたのか分かりませんが、それでも発見された後、異常に馬に興味を示したりというのは、幽閉前に自分の身の回りに馬がいる生活だった証拠でしょうね。しかし暗闇に1人きりで16歳位になるまで放置って、今考えたらモロ犯罪なんだけど、当時ではありえる話だったのでしょうか。発見された時はかなり膝も曲がっていて歩くのが困難だったそうです。そりゃ暗闇で生活してパンと水だけで生きてりゃそうなりますわな。あの時代の貴族やら王族、ホント奇妙な出来事がゴロゴロしてますね。
Commented by penedescat at 2011-08-09 04:33
viespaさん:
この映画、Youtubeとかで全編見つかるかなあ??
もし英語字幕とかで何か見つかったら情報送るわさ。
DVDとかあるかもね。すごい古い映画なんだよね。でもってカスパー役のミュージシャンの方、昨年亡くなったの覚えてる。
そういえば地下室だかに実の娘を閉じ込めて、子供生ませてっていう話あったね!オーストリアじゃなかったっけ?でも他の国でもあったような記憶。この世で何が一番奇妙で残酷かって、人間自身だよ~。
Commented by penedescat at 2011-08-09 04:36
再びviespaさん:
今度父親にマイクロファイバータオルなのか聞いてみる!
でも市役所にそんなお金ないかもしれないっ。
話違うけど、今日はヒゲのOL笹子を読んでから寝ることにする。楽しみ、楽しみ~
Commented by cocomerita at 2011-08-10 00:19
Ciao penedescatさん
やっぱさ―王室とか皇室とか貴族とか、私ら庶民にはなかなか理解もできない、こう入り組んだ 重くて暗い事情があるようですよね
あー―庶民でよかったと思う一瞬
ダイアナ妃だってさ、いろいろ取りざたされてるもんね
イタリアにも摩訶不思議怪しい事件が結構あって
世の中って水面下でいろいろなことが起きてるんだな――と思うわよね
なんか気の毒だよね
カスバーさん...
今頃あっちで幸せにしてくれてるといいけどね
Commented by penedescat at 2011-08-10 01:21
Junkoさん:
確かに王室に縁がない身分で良かった、はっはっは!
お金に自由が利いても、身体や思想の自由はかなり制限されますもんね。日本は特別としても、一見自由っぽいデンマークとかでも、スキャンダルで追っかけられたり、ああいう人たちは可哀相だなあと思う。
イタリアにもやっぱりこういう話はあるんですね~。サヴォイア王家?
いつかカスパー博物館に行って、彼の銅像(?)らしきものにお花でもお供えしてこようと思ってます。
Commented by こうちゃんの父親 at 2014-10-05 10:58 x
深い。実に深い近世ヨーロッパ裏事情。完全なエポックな人物ながら
存在していたという事実はもはやどんな好奇心よりも今の私には、好奇心のベクトルが一直線。カスパーを起点に、歴史上の瞬時に現れて、極めて深い謎を残していかれた人物(例。アナスタシアなど)を、これから徹底的に書物、文献で読み漁るのを、ライフワークにしようと思った。
古い歴史は尽きること無きロマンの宝庫ね。文献楽しみで成らない。
Commented by penedescat at 2014-10-05 22:41 x
こうちゃんの父親さん:
コメント有難うございます。かつては謎だったままの話が、ここにきてDNA鑑定ができるようになり、一気に真実に近づけるようになりました。カスパー・ハウザーの話を知ったのはもう20年以上前なんですが、あの映画で見た彼の存在は、今でも私の記憶に深く刻み込まれています。文献を読み漁る作業、きっと充実したものになるでしょうね!

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